腕時計の世界では、白文字盤に黒いインダイヤルを持つクロノグラフを「パンダ」と呼ぶらしい。
私の一軍にも一本、パンダがいる。
オリエントの RN-TX0203S。
私はこれを「マコパンダ」と呼んでいる。
このマコパンダを購入する際、最後まで迷った一本があった。
シチズンコレクションの VO10-6771F である。
(※画像は シチズン公式サイト より引用)
マコパンダとシチズン VO10-6771F。
この二本には共通点が意外と多い。
・クロノグラフ機能
・逆回転防止ベゼル
・ソーラー駆動クオーツ
ただし、見た目の印象は大きく違う。
マコパンダは名前の通り、
白文字盤に黒インダイヤルの、いわゆるパンダデザイン。
対してシチズン VO10-6771Fは黒文字盤に、インダイヤルも黒。全体が黒で統一されている。
風防の素材も異なる。
マコパンダはサファイアガラス。
シチズンはクリスタルガラス(強化無機ガラス)。
細かいところでは日付窓の視認性が違う。
これはシチズン VO10-6771Fの方が優れている。
マコパンダの日付窓はかなり小さく、正直見づらい。
スペック上の違いを挙げると、次のようになる。
ケース径
VO10-6771F:40.6mm
マコパンダ:42.8mm
防水性能
VO10-6771F:10気圧
マコパンダ:20気圧
価格はサファイアガラスの差だろうか、わずかにマコパンダの方が高い。
こうして並べてみると似ている時計だが、最終的な分水嶺になったのはスペックというより設計コンセプトの違いが大きかった。
マコパンダは、もともとダイバーズウォッチの系譜に連なるデザインである。
つまり、クロノグラフ付きのダイバーズウォッチという立ち位置になる。
一方のシチズン VO10-6771Fは、航空機の計器類を思わせる正統派クロノグラフウォッチのデザインが元になっている。
本来ならタキメーターベゼルが付いていそうな顔つきだが、逆回転防止ベゼルを備えたクロノグラフとして仕上げられている。
精密機械然とした正統派クロノグラフのデザインが好きな人には、VO10-6771Fはかなり魅力的に見えると思う。
だが私には繊細なイメージというか、数学や数式が似合いそうなデザインが神経質そうに見えて、やや苦手である。
対してマコパンダは基本的にダイバーズウォッチである。
日付表示は見づらいが、全体としての視認性は高い。
私の目には、こちらの方が道具として魅力的に映った。
また実用面を考えるとき、サファイアガラス風防はやはり魅力的だった。
腕時計は本当にちょっとした拍子に、どこかへぶつけてしまうものである。
それに当時の私は、黒文字盤に少し警戒心があった。
また自分に合わないのではないか、という気持ちがあったのである。
その感覚はいまもまだ残っているが、現在はマコグレーに救われている。
こうして最終的に選んだのがマコパンダであり、彼は一軍パンダとなった。
迷いのパンダ ― パガーニデザイン PD-1644
ただ、パンダのクロノグラフはもう一本持っている。
パガーニデザイン PD-1644 である。
この時計をどうするか、いま少し迷っている。
PD-1644はタキメーターベゼルを備えたクロノグラフで、ムーブメントはセイコーの VK63。
いわゆるメカクオーツと呼ばれる電池式クオーツである。
素材面ではマコパンダよりも、むしろPD-1644の方が優れているかもしれない。
風防はサファイアガラス。
ケース径は40mmで、マコパンダよりも小ぶり。
ベゼルはセラミック製のタキメーターベゼルだ。
細かい点では、長針がきちんとミニッツマーカーまで届いている。
マコパンダは届いていない。
少し悲しい。
防水性能はマコパンダが20気圧防水、PD-1644は10気圧防水。
電池式クオーツとソーラークオーツの違いはあるが、この点は個人的にはあまり気にしていない。
それでも一軍に残ったのはマコパンダだった。
理由は単純で、回転ベゼルの有無である。
タキメーターは確かに格好いい。
セラミックベゼルも魅力的だ。
だが、いまの私にはタキメーターの使い道がない。
私にとっては、はるかに実用的で必要なのは、回転式ベゼルの方だった。
私は喫煙者で、いま減煙に挑戦している。
タバコを吸ったとき、回転ベゼルのマーカーを短針に合わせておく。
すると、いつ吸ったかが一目でわかる。
次に吸うまで、どれくらい間を空けられるか。
それを見える形で確認できる。
何となく吸う惰性の喫煙ではなく、
意識的な喫煙ができるのである。
こうして考えると、いまの私の生活に合っているのはやはりマコパンダだった。
一方でPD-1644はどうか。
いまのところ、ほとんど飾りのような状態だ。
出番はあまりない。
それでも腕時計としての出来はいい。
サイズ感もよく、セラミックベゼルも美しい。
だからしばらくは手放さず、手元に置いておこうと思っている。
一軍ではない。
だが、私にとっては「迷いのパンダ」である。
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